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印影(3)

このページには少し前に彫った印影を並べております.

高尾山

カナジーがよく歩く低い山.

高尾山高尾山
↑篆書朱文25×25↑篆書白文15×30

絵篆刻のページにも高尾山を載せました.

居盈念損

先生の解説によれば,盈(えい)に居りて損を念う=十分な地位に居ても,常に控えめにして用心する.慢心しない.と意味だそうである.盈(えい)の字は難しい字だ.

居盈念損居盈念損
↑篆書白文30×40↑篆書朱文35×35

寿

2009年,2010年賀状に用いた.

寿寿
↑篆書朱文40×40↑篆書白文40×30
寿寿
↑金文白文35×35↑金文朱文40×40

空を飛ぶこと.三省堂の漢和辞典を見ると,ニュアンスとしては羽ばたかずに旋回して飛ぶ意だという.日本語だと,羊に羽を組み合わせた漢字は変だな~?と感じないでもないが,どうやら羊は漢音でショウ(呉音でジョウ)の音を作る役目のようである.

翔
↑篆書白文30×30

山川異域風月同天

鑑真和上が,遣唐使として中国に渡った留学僧の栄叡(ようえい)と普照(ふしょう)という若い僧に,来日するよう切々と訴えられたとき「山川異域 風月同天 奇諸仏子 共結来縁」(中国と日本には同じ山川はない.しかしながら風も月も同じものだ.まことにこれ仏法興隆に有縁の国なり.)という言葉を挙げて日本行きを決意したそうだ.この言葉は長屋王が中国に贈った袈裟に刺繍されていたものだそうだ.

山川異域風月同天
↑篆書朱文55×55

舎短取長

舎短取長とは,短所や欠点を捨てて,長所を伸ばすこと.また,つまらないものを排除して,よいものを取りあげること,だそうだ.確かにその方がいいと思う.

舎短取長
↑篆書朱文40×50

聊娯

娯は楽しむこと,聊は少し,幾らかの意味だそうで,聊娯とは少し楽しむ,となろうか?

聊娯聊娯
↑金文白文30×30↑篆書朱文50×50

文字遊心

著名な漢字学者/白川 静先生の著作にも「文字遊心」のタイトルを付けたものがある.荘子に,遊心とは「心をほしいままにして楽しむ」とあるそうだ.とすると「文字遊心」は,文字を思い切り楽しむ,くらいの意になろうか.綴りは同じようでも遊び心とは大いに異なるわけだ.....が,自分が彫った金文の文字遊心を眺めると,遊び心とも一脈通じるものがあるような....

文字遊心
↑金文朱文55×55

居中

広辞苑第4版によれば,居中:両方の中間に立つこと.また,中間にあって偏しないこと,と記されている.また【居中調停】(mediation) という熟語について,第三国が国際紛争当事国の間に立って,平和に解決するようにとりもつこと.仲介,と述べられている.実際の国際問題では,自国の利益優先,となるケースが多いあろうが.

居中
↑篆書朱文40×40

神奈爺的物見遊山

姉妹サイト『カナジーの物見遊山』を漢字で表記してみた.

神奈爺的物見遊山神奈爺的物見遊山
↑篆書白文35×35↑篆書朱文50×50

日々是好日

日々是好日(にちにちこれこうじつ)=拘りや囚われを捨て,その日一日をただありのままに清々しい気持ちで生きること,だそうだ.

日々是好日
↑篆書白文40×40

函之如海

函之如海(之を入れる函は海の如し)=物事を包容する量の広大なことをいう語.

函之如海函之如海
↑篆書朱文40×40↑金文白文40×40

慎獨

慎獨(しんどく).先生の解説によれば,大学(註)の中に出てくる語で,独り慎む.他人の見ていないところでも心を正しく持ち,行いを慎むこと.

(註)大学:広辞苑第4版に依れば,儒教の経書.もと「礼記」の一編.唐の韓愈,宋の二程子に推重され,朱熹が章句を作って四書の一となる.明徳・止至善・新民の三綱領と格物・致知・誠意・正心・修身・斉家・治国・平天下の八条目を説く.

慎獨慎獨
↑篆書白文20×20↑篆書白文15丸

吾志在不朽

『言志四禄』(百工各著工夫.....人不能百歳只當志在不朽.志在不朽則業不朽......)に記されたことば.”我が志は朽ちることなし”の意.

吾志在不朽
↑篆書朱文35×35

恕而行之

恕は思いやり.同情心(広辞苑第4版).よって物事は思いやりの心を持って行うべし,の意.参考に研究社英和プラス辞典を見ると,恕:shun. 【中国思想】 恕(じよ) 《「思いやり」「仁愛」の意》,とわざわざ 【中国思想】と記されているところが趣深い.

恕而行之
↑篆書白文30×30

序破急

広辞苑第4版によれば,音楽・舞踊などの形式上の三区分.序と破と急.舞楽から出て,能その他の芸能にも用いる.....(以下略),とある.また大辞林によれば,(1)日本の音楽・舞踊・演劇などで、楽曲構成・演出・速度などに関して三部分または三段階を想定する理論用語.....(以下略).(2)物事の構成.はじめと中間とおわり,と述べられている.因みに序破急に近いのではないかとされ,また割と身近な『起承転結』を広辞苑で引くと,(1)漢詩で、絶句の構成の名称。第一の起句で詩思を提起し,第二の承句で起句を承け,第三の転句で詩意を一転し,第四の結句で全詩意を総合する.起承転合.(2)転じて,物事の順序・組立.「―が整わない」,と述べられている.さらにこれをジーニアス英和辞典を見ると,logical development (文章などの)論理的展開,研究社英和ではthe four-part organization of Chinese poetry; introduction, development, turn and conclusion; the course of an event,と簡潔にして比較的分かり易い解釈が載っている.

序破急序破急
↑篆書朱文35×30↑篆書朱文35×35

受福無彊

『詩経』(註)の一節に記されたことば.「限りなく幸福を受ける」の意.(註)詩経は,広辞苑第4版によれば,五経の一.中国最古の詩集.孔子の編といわれている.殷の世から春秋時代までの詩三一一編(内六編は詩題のみ)を国風・雅・頌の三部門に大別.国風には周南・召南・(ハイ)・(ヨウ)・衛・王・鄭・斉・魏・唐・秦・陳・檜・曹・(ヒン)があり,雅には大雅・小雅があり,頌には周頌・魯頌・商頌がある,と記されている.

受福無彊受福無彊
↑篆書白文30×38↑篆書朱文50×50