logo

印影(2)

このページには数年前彫ったものを並べております.

陳去新來

『準南子』(註)の一節に記されたことば.陳は古い.古いものが去り,新しいものが来る,の意味.(註)大辞林によれば準南子(えなんじ)は(1)中国の学者,劉安(りゆうあん)の尊称.
(2)中国,前漢代の思想書.二一編現存.淮南王(わいなんおう)劉安撰.道家・陰陽家(いんようか)・法家など諸学派の説を総合的に記述編集する.淮南鴻烈(わいなんこうれつ),と記されている.

陳去新來陳去新來
↑金文白文35×35↑篆書朱文35×50

天地象形

三省堂大辞林を参照すれば,『天地』は(1)大空と大地.宇宙.てんち,
「天地のともに久しく言ひ継げと/万葉 814」『象形』は(1)物の形をかたどること.
(2)漢字の六書(りくしよ)の一.物の形をかたどって字形としたもの.「日」「月」「山」「木」などの類. .と述べられている.しかして天と地には具体的な多くのものが存在する,存在するすべてのものとしての宇宙,森羅万象と云った意になろうか.

天地象形天地象形
↑篆書朱文40×40↑金文白文40×40

心地乾淨

『菜根譯』の一節「心地乾淨 方可讀書學古......」に記されたことば.心がきれいさっぱりしていること,と講話に述べられている.

心地乾淨心地乾淨
↑篆書朱文35×35↑金文白文40×40

與古為徒

比田井天来の書(漢詩)に付された楕円形引首印に記されたことば.原典は莊子内篇(第1~7篇)人間世第四の一節にある「....成而上比者,與古為徒。其言雖教, 之實也。古之有也,非吾有也。若然者,雖直而不病。是之謂與古為徒。若是則可乎?」の部分と思われ,「古き賢人の僕」と云った意になろうか.

與古為徒與古為徒
↑篆書朱文35×35↑金文朱文35×35

学古

古きに学ぶ

学古
↑篆書朱文30×30

経路窄処一歩與人行

経路の窄い処では一歩行く人に與えよ,の意.山道を歩くときなど文字通り当てはまるが,多分そういった意味だけに留まるのではなかろうが.

経路窄処一歩與人行
↑篆書白文50×50

一花開天下春

字句通り「一花開いて 天下春なり」「小さな花が咲き,世は待ちに待った春が訪れた」と単純には解釈できよう.あるお坊さん,法雄山 常休禅寺住職普喜正弘氏のサイトから引用すれば,3月になり,春のお彼岸が近づいてきた.お彼岸といえば,「到彼岸」といって仏様の悟りの彼岸(理想世界)に到達するという趣旨の言葉に由来したもの,と仏教的解釈が記してあった.また黒子知視氏のサイトでは,僅かな花が開くのを見て,春の訪れを知る,ものの兆しを見て全体を知る,と述べられ,これまた含蓄深い.

一花開天下春一花開天下春一花開天下春
↑篆書朱文50×50↑金文白文15×50↑篆書朱文30×40

身土不二

身土不二:「身(身体)と土(環境)とは不可分(不二)」「我が身と棲む地は二つならず,一体である」といった意.「食べものにも,その食べものが生産された土地の空気,気候環境,風土が宿り,同様に人間の体にも,生まれ育った土地の空気,気候環境,風土が宿っている.食べ物に宿っている風土と人体に宿っている風土が一致すればするほど体によい」と云ったように食物との関連で多用されるようだ.都市部はもちろん農村部でさえ急増するアレルギーやアトピーなどの現実に,この考えがしばしば見直されているようだ.

身土不二身土不二身土不二
↑金文白文30×30↑篆書朱文35×35↑篆書白文35×35

脚註ページの身土不二もご覧下さい.

減除物累

減除物累は菜根譚の一節に現れる言葉だったと思うが,はっきりとは思い出せなくなった.物欲を減らせ,的な解釈でよかったような....

減除物累
↑篆書白文33×33

鉄面皮

田中仙樵の書に記された鉄面皮は,広辞苑第4版からそのまま転載すれば:鉄のような面の皮」の意. 恥を恥とも感じないこと.あつかましいこと.ずうずうしいこと.また,その人.厚顔.浮世床二「―だからどうもしれねへよ」.「―な男」. 田中仙樵がこの言葉の印を用いたように,既成観念に捕らわれず,時にはずうずうしく行動しないことには新しい世界は拓けない....といったポジティブな解釈も大事であろう.

鉄面皮鉄面皮鉄面皮
↑篆書白文40×40↑篆書朱文50×50↑篆書白文15×30

脚註ページの鉄面皮もご覧下さい.

坐邊師友

【坐邊師友】は,傍らの師や友人とともに座ること,その喜び,幸福......

坐邊師友坐邊師友
↑金文朱文40×40↑篆書朱文40×40

竹葉

広辞苑第4版によれば文字通り(1)竹の葉,のほかに,(2)酒の異称.また,酒を入れる旅行用の竹筒.(3)転じて弁当,とある.何故か判らないながら(2)の意味が趣き深い(ような気がする)

竹葉
↑篆書白文40×40

川行石立

川行石立は菜根譚に現れることば.単純に川は流れ,石は立つ,でいいと思うが,その中身は人によって解釈自由であろうか.

川行石立
↑篆書朱文50×50

獨坐観心

【獨坐観心】は『菜根譚』(儒教の思想を本系とし,老荘・禅学の説を交えた処世哲学書.二巻.明末の儒者洪応明(字は自誠)著.前集には仕官・保身の道を説き,後集には致仕後における山林閑居の楽しみを説くの一節に記される.←広辞苑第4版)の一節,独り坐して心を観ずれば云々.....に記された言葉.

獨座観心
↑篆書白文40×40

賀春

今度の年賀状は賀春を篆刻してみよう.

賀春
↑篆書白文40×40